エムイーシーテクノ様は電気設備のメンテナンス業務をAIを活用し業務効率化を図っていました。
センサーデータから傷を検知するためには専門的な職人による判定が必要となりますが、職人の工数は限られているため電気設備のメンテナンス業務を受けられない機会損失が発生していました。
傷の検知は難易度が高く、1%でも高い精度が必要なため、コンペを通じて現状利用可能な技術を駆使し、最高精度のAIモデルを開発することを目指しました。
センサーデータと傷の位置を示すデータのペアを2800組提供しました。
傷のあり/なしの判定は非常にシビアで専門的な職人でも判定が困難なため、判定を0/1とするのではなく確率として出力し曖昧性も加味した評価指標でコンペティションを開催いたしました。
1つのセンサーデータのうち傷の箇所が極端に少ないインバランスなデータであるため、通常の教師あり学習よりも精度向上の難易度が高い、オープンイノベーションを特徴とするコンペティション向きのテーマとなりました。
センサーは0.1m秒毎にサンプリングされていることを踏まえ、時系列性を考慮したモデルを採用し、インバランスなデータに対応するための損失関数の工夫などを行い精度を向上させることに成功しました。
また時系列性を考慮した特徴量を追加し、様々なバリエーションのモデルを組み合わせて推論することにより傷の見逃しを1%以下まで抑えることができました。